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食文化「未来モード」のスイッチ 〜フードロス〜

昔、お婆ちゃんに「米粒1つ残すと目がつぶれるからね」なんて、今思うと恐ろしいこと言われて、頑張って食べていたのを思い出しました。米や食べ物を大切にすることは、とても大事なことで「ケチ」とか「せこい」じゃなく、思いやりや感謝の感情からくるものだと思います。

2011年に国連食糧農業機関(FAO)が、世界規模で起こっているフードロスの調査の発表をしてから、食糧危機の改革項目として、様々な機関で見直しや改善が行われるようになりました。
調査の報告によると、毎年生産される食糧の1/3(約13億トン)が廃棄されているそうです。そして、フードロスの1/4(約3億トン)でも有効利用ができたら、飢餓で苦しんでるといわれている約8億人の食糧を十分にまかなえる計算になります。また農畜産業生産時の一度も食べられることのない食糧を作るために、140億ヘクタール(日本の国土面積の37倍)の土地が使われており、同じく食糧生産に使用する淡水は250km3(琵琶湖の水の9倍)、約33億トンの温室効果ガスの排出がされています。これを1つの国として比べたときに、アメリカ、中国に続いて3番目に多い排出量となり、経済損失(水産物を除き)は、市場価格で1兆USドル(約110兆円)となり、スイスのGDPと等しい規模ということになります。日本国内だけでみても、年間642万トンのフードロスがあり1/2は家庭からの排出になると言われてます。

では、フードロスはどのように作られるかというと、農畜産業による製造過程での規格外製品(小さい人参や大きくなりすぎたキュウリ、汚れたリンゴ等)、収穫後の貯蔵・管理方法の不備(虫食い、カビ等)、食品加工業者による不良商品(規格変更、パッケージングミス)、スーパー、コンビニ等による期限切れ商品、レストラン等の外食産業、家庭での食べ残し、賞味期限切れによる廃棄と、生産から消費までのサプライチェーンの中の様々な箇所でロスが生まれてしまっています。

食糧・環境問題にフードロスが与える影響は膨大で、FAO報告の翌年2012年には、国連事務総長の潘基文氏により「Zero Hunger Challenge」が宣言され、餓死ゼロの取り組みが始まりました。政府、民間企業、NGO、市民等すべての人に対し、取り組みへの参加を呼びかけ、”飢餓は、私達が生きている間に撲滅できる”という共通理念のもと活動に取り組まれています。

飢餓ゼロへの挑戦には、5つの目的があります。

1. 2歳の子どもの発育阻害をなくす(発育阻害とは年齢の割に背が低いこと。慢性的栄養不良の代表的な症状)
2. 年間通して、十分な食糧が得ることができるようにする
3. 食糧の供給システムを持続可能なものにする
4. 小規模農家の生産性と収入を倍増させる
5. 食糧のロスや廃棄をなくす

このような5つの目的を達成させるために、国連の他のパートナー機関と連携し、飢餓の撲滅を使命とし活動しています。

その他にも、ドイツのスローフード・ネットワーク・ユース団体による活動がヨーロッパ全域に広がりをみせたり、ニューヨークからサンフランシスコ、ロンドンやドイツ全域に広がりをみせる”フードシェアリング”は、アプリやウェブサイトを通じて、物をあげる人、もらう人を繋げるおすそ分けの新サービスが生まれたりしています。その他に、イギリスやフランス、日本での企業でもフードロスに対する取り組みが行われたりと、ここ5年間の間に重要課題として、様々な取り組みが広がりを見せるようになっています。

食べ物を残す事を良しとする国々があります。もちろんその国の習慣であり違う考え方があります。
しかし、世界規模で改善されたら、大きなエネルギーに代えられます。消費社会が生み出した人々の価値観や感情の次の行き先は、物を大切にする豊かな心を育んでいくことのように思います。

参考サイト:
フードロスチャレンジ http://foodlosschallenge.com/
WFP http://ja.wfp.org/hunger-jp/zerohungerpage

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