ヴァンサンカッセルという俳優

モン・ロワ 〜愛を巡るそれぞれの理由〜

フランス映画を観ました。
私の信頼する友人が、苦しく素晴らしい映画だからとお勧めを受けていました。

感想。
非常に苦しいです。

ネタバレしないよう、内容については書きません。

主人公のパートナー、ジョルジュ役のヴァンサンカッセルという俳優さん。

私の記憶では・・・

グサヴィエドラン監督の(これまた苦しく美しい素晴らしい映画) 『たかが世界の終わり』の、兄役。
不器用で真面目で、寂しさ故に暴力的で偏った考えを持つ、ヤな感じの兄。(根は優しい)

ナタリーポートマンが主演女優賞をとった『ブラックスワン』の演出家、厳しい世界の”いかにも”才能あるしかし暴力的な悪役。

そしてギャスパーノエ監督の衝撃的で恐ろしくて吐き気のするよくわからない映画『アレックス』

あれ?それだけ?そんなはずはないです、よく見かけます、何度も見かけました。
フランス人の素敵で才能のある俳優さんと言えば、ヴァンサンカッセル。
安定で才能溢れる間違いないヴァンサンカッセルです。

しかし、その彼本当の魅力に、『モン・ロワ』で出会いました。

誰も彼を掴まえることはできない、自由でエネルギッシュで、瞬間を生きていてパワフル。
ここに居る!(意識)と思ったら次の瞬間、居ない。早い、早い、早い。
反応が早い、キャッチが早い、感じたものを表現するのが早い、嬉しい!嫌だ!好き!愛している!淋しい!楽しい!腹が立つ!が、とにかく早い。
そこに思考はない、彼自身が、あまりにも彼自身過ぎて、120%思い切り生きている、制限の無い人の代表格のような。

背が高くスラッとしていて、オシャレで洗練されていて。
成功していて、且つ、繊細な心を持つ。
頭の回転が素晴らしく早く、知的でユーモアが最高で、色気が溢れて溢れて溢れて。
(こんな魅力的で誰もが憧れるような男性には絶対に恋をしてはいけない。必ず苦労する。)

たくましく強く頼れるのに、青い海のように真っ青な目は、キラキラに透き通っていて、心の奥の奥まで見透かされるような鋭さ。
何も誤摩化せない、嘘の無い、俺の目は真実しか写さないとでも言いたげな。

大きいとか熱いとか真っ直ぐだとか、如何なる形容詞も似合わない、全力の愛を全力でぶつけてくる。
傷つくのが怖い、失うのが怖い、そんな恐れはひとつもなく、全力で愛して全力で突き進んで、全力で失い破壊し絶望する。
それでも、止めない。全力で愛することを。全力で愛することしか、できない。

鋭く尖った刃物で心臓をえぐられる苦しさが終止ぬぐえなくて、私は感情コントロール不可の、情緒不安定に陥りました。

嗚咽とはちょっと違う、「ぐほっっっッッッッッ▼#○%$$!?■??×!」と、
肺の底らへんから何か唐突に吐き出されるような、巨大サイズの涙をボロボロ流しました。

映画を観たという感覚はない。
素晴らしい作品を鑑賞したという感覚もない。

これが演技だとは思えないし、演出や配役が素晴らしいとも違う。

私は何を観たのか?
ジョルジュって、誰なんだろう。
ヴァンサンカッセルを観たのか、ジョルジュを観たのか。
演技って何なんだ。どこからどこまでが演技で、どこからどこまでが本人なのでしょうか。

映画が好きです。映画のおかげで艶を保っていられます。15年間、映画を見続けています。隙あらば映画。*映画が私の感性を育ててくれた*国ジャンルは問わず観ます。ハリウッド映画はやっぱり面白いけれど、毒されないようにバランス良くいろんな映画を観ることを心掛けています。ホラーやスプラッタも大好きです。暗く深く小難しい映画、大好物です。生まれ変わるならナタリーポートマン、結婚するならラッセルクロウ。もしくはマシューマコノヒー。